産業医学

近況

10月終わりから11月のはじめまで、今年2度目のコンゴ民主共和国訪問。ルブンバシ大学の産業保健コースの支援をするためと、キンシャサ大学との共同研究立上げのためだが、今回もアドベンチャーのような旅程だった。入国に際して、同行のNgatuさんのチケット…

韓日中産業保健集談会

先ほど、関空到着。27日からあった韓日中産業保健集談会に参加して帰ってきたところだ。わたしは昨日だけ朝からほとんど夜の12時近くまで参加して、前後1日ずつは移動日とソウルにいる友人との交流にあてたが、久しぶりのソウルで歩き回った。別に観光地を尋…

ILOじん肺セミナー

今回はクアラルンプールで開催中。今日も2回講義をします。昨日は独立の瞬間に英国の旗が降ろされ、マレーシア国旗が掲揚された場所に行ってきました。 さて、今日はILO講習会と並行して行われた労働省のDOSH労働衛生部局の医官たちに講習を行ったので、3回…

環境医学セミナー

本日は大学院生Ngatuさんが5月の産業衛生学会で発表予定の医師会認定産業医に対するじん肺胸部エックス線読影講習の前後での読影結果について発表。新しく加わったAndreさんも積極的に質問していた。じん肺胸部エックス線読影講習は有名なFelsonが米国のACR…

ICOH4日目&5日目

昨日はじん肺DR導入についてのAl Flanzbrauの発表とドイツでのじん肺特にアスベスト関連疾患の管理状況についてのThomas Krausの発表、日下教授がILO分類の将来についてデジタル標準導入に関しての発表を行なった。とイツは我々が共同で開発したじん肺HRCT国…

ICOH3日目

今日は、ブラジルの友人Eduardo Algranti先生がKeynote Speechというので、あまり聞かない大会場のセッションで始まった。彼はWHOのコラボレーションセンターであるFundacentroという産業医学研究所の所長だが、リスクコミュニケーションの話でチャップリン…

ICOH国際労働衛生学会

現在南アフリカのケープタウンで労働衛生に関する国際学会に参加中です。この学会は3年に一度、あるのですが、前回はイタリアのミラノで労働衛生の父ラマツィーニにちなんで行なわれました。今回は南アフリカという現在もアスベストを生産し続けており、その…

ICOH二日目

本日はポスター発表だったが、隣のアメリカから来たお嬢さんのところにはたくさん人が集まっていたのだけれど、CT分類などというマニアックなことをやっているからか、殆どお客が来なかった。もう少しアトラクティブなポスターを作って、専門外の人が見ても…

岡山県南部健康づくりセンターで講演

昨日は中学からの同級生の宮武伸行先生からご招待を受け、岡山県南部健康づくりセンターで「いきいきと働くために」と題して講演。70名の参加を得た。岡山大の公衆衛生の同門の青木三恵子先生もどこで見つけたのか、わざわざ聞きに来てくださったが、多少、…

じん肺画像診断

今日の教室セミナーは、いろいろと皆さん予定があったのか2名だけの参加。学生さんは授業が終わっていなくなってしまったらしい。 2名でICOHでの発表予定のポスター内容のチェックを行なった。このICOHも今回は事務局がどうもしっかりしていない。3月末の発…

セミナー&アフリカ

大学院生Ngatuさんの塵肺エックス線読影講習の前後での医師の読影結果の変化についての検討。かなりStataの扱いに慣れてきたようで、結果をちゃんとLogファイルに残せるようになっている。感度特異度の計算もお手のもので一年間の修練の賜物だ。どうにか形と…

手根管症候群

「のだめ」の作者の二ノ宮知子さんが手根管症候群になったそうだ。Carpal Tunnel Syndromと英語ではいうが、作業関連疾患として重要なものの一つだ。作業関連疾患というのは仕事に関連しているということで、いわゆる職業病といわれている仕事に固有の病気で…

AIR Pneumo会議終了

昨日までの予定ではあったが、もしかすると会議が終わらないかもしれないからということで、一日延長になっていた予備日が終了して、ようやくスワンナパーム空港にいる。実際、会議は昨日の11時30頃まで続き、日本人の勤勉さが諸外国の参加者を驚かせた。な…

アジアじん肺読影医養成コース(AIR Pneumo)

福井大学の日下教授を中心とするアジアじん肺読影医養成コースの準備をタイで行っている。この関係でタイに来ることが多くなって、今回で7回目(だと思う)。初めて来たときは、じん肺のHRCT分類の話を是非して欲しいということで、タイの厚生省の次官から、…

じん肺のデジタルエックス線応用

長年取り組んでいるテーマだが、厚生労働省の研究班で滋賀医科大学村田喜代史教授を班長に典型画像の収集やデジタルエックス線の様々な問題の整理を行ってきている。今日はその班会議が東京であり、参加。今年3月にNIOSH(米国厚生省国立労働安全衛生研究所)…

短縮Nコース

今日は産業看護職のためのスキルアップというか、看護師資格の産業看護職が公衆衛生一般について学ぶためのコースの講義をしてきた。2コマぶっ続けだったが、現場での産業看護師の経験があるため、質問が鋭い。福井で私が産業医をしていた明治ナショナル工…

求人増!産業医

最近、いろいろな所から産業医、特に専属産業医の求人が来ている。産業医の世代交代が起こりつつあること、企業が安全配慮義務などの観点で優秀な産業医の確保に力を入れつつあることなどが背景にあるようだが、あいにく医師の医局員が私だけしかいないので…

産業衛生学会 in 札幌

24日から今日まで、(明日は産業医学の研修会があるが)日本産業衛生学会が札幌で開催されていました。高知に着てからは始めての産業衛生学会でしたが、じん肺、石綿などのセッションでも職業性呼吸器病研究会でもいつものメンバーと結構激しい議論が戦わさ…

産業医学におけるclinic

産業医学においてclinicalとはどういう意味だろうか。概して、産業医学は衛生学・公衆衛生学における環境医学の一分野である職場における健康問題をテーマにしている基礎医学だと考えられている。私たち産業医学をやっている人間は基礎医学よりはむしろ臨床…

職場巡視

今日は月一回の産業医活動の日。大学院生などがたくさんいてくれれば、こういう実務はお願いしたいところですが、教授自ら産業医活動を行っています。といっても現場に出て行くというのは、いろいろな発見があります。産業医講習会などでは、よく病棟の回診…

ILO国際じん肺エックス線分類読影講習会

高知県に来て初めてじん肺エックス線の読影講習会を行った。参加者は33名と高知産業保健推進センターの産業医学講習では多いほうだったそうです。たくさんの方に関心を持っていただいてよかったと思います。私たちがいろいろなところで行っているじん肺講習…

アジアへの技術移転など

じん肺などの職業性呼吸器病に限らず、職業病の頻度は当然途上国のほうが高い。戦後の日本がそうであるように経済の発展が何よりも重視され多少のマイナス面はいたし方が無いという考えが強い。日本などの先進国の失敗の二の舞を踏ませては成らないと考えて…

石綿ばく露者の検診

国際じん肺CT分類の開発のために症例収集をしてきたが、建設業といっても主に木造建築を主にしている人たちの集団で胸部写真での検診をしてみて、かなり高濃度の石綿ばく露がないと発生しないと考えられている石綿肺が数例以上あるのには正直驚いている。木…

過重労働・メンタルヘルス対策など

産業保健でのトピックスの一つが作業関連疾患だが、これはかつての成人病(成人の主要死因となる疾病)や今言う生活習慣病(lifestyle disease:死因となる疾病に加えその素地を作る基礎疾患も含めて生活習慣にリスク要因のあるもの)とかなり重なる概念であ…