抄読会

J. Hou et al. Suboptimal Selenium Supply-A Continuing Problem in Keshan Disease Areas in Heilongjiang Province. Biol Trace Elem Res 21 Jan 2011

Keshan Diseaseの頻度減少がSeの対象地域での増加と関係しているのかを検討。534例の毛髪、446の食事サンプル、180の土壌サンプルを収集して検討。好発地域の毛髪、食事(トウモロコシ)のSe濃度は他郡の住民の値とくらべ有意に低かった。Keshan Disease好発…

近況

10月終わりから11月のはじめまで、今年2度目のコンゴ民主共和国訪問。ルブンバシ大学の産業保健コースの支援をするためと、キンシャサ大学との共同研究立上げのためだが、今回もアドベンチャーのような旅程だった。入国に際して、同行のNgatuさんのチケット…

Association between Tobacco Smoking and Active Tuberculosis in Taiwan: Prospective Cohort Study.

Am J Respir Crit Care Med 2009; 180: 475-480. 12歳以上の17,699人のTaiwan National Interview Surveyの参加者を2001年から2004年までフォローして得た57人の結核罹患者について、リスク要因を多重ロジスティック解析などで検討。喫煙者の調整オッズ比は1…

Update in Lung Cancer

Blue JournalのUpdateシリーズ5月号から。今週はLung cancer、昨日の当教室大学院生のための疫学講義には風邪のため、欠席したNarongponさんが担当のこの日は責任感から薬を飲みながら発表。きれいにPPTにまとめて発表してくれた。臨床的な基礎的事項をバッ…

Update in Asthma

今日は、ハワイ大学の医学部生三人が来室。環境医学教室セミナーに参加した。今日はNgatuさんの担当で、表題のBlue Journalのレビューの予定であったが、急きょILO国際じん肺分類の説明も加えた。3人の医学部生のうち、2人は日系アメリカ人で、日本語を交え…

Serum Vitamin D levels and markers of severity of childhood asthma in Costa Rica

母親が妊娠中にビタミンDを摂取していた場合、小児の繰り返す喘鳴のリスクが減少することが同じグループから報告されているが、今回の検討は血中のビタミンD(血清25-hydroxyvitamin D)値と肺機能検査結果とを比較した。対象は7,282人の6−14歳までの小児(…

リサーチコースの星野くんがブタインフルエンザについて発表。メキシコの養豚場周辺から各国に広がり昨日Phase 5となったがH1N1のブタインフルエンザについて、基本的な事項を説明した。これに弘田講師の公衆衛生レクチャーも疫学の例としてブタインフルエン…

コンゴ民主共和国の結核問題

今年から大学院生に加わったAndreさんの発表。これまで携わった結核問題について話をしてくれた。コンゴでは医学部卒業までに卒業論文の提出が必須とのことで、その時におこなった未成年妊婦の調査についても少し話をしてくれた。現代社会で常識となっている…

環境医学セミナー

本日は大学院生Ngatuさんが5月の産業衛生学会で発表予定の医師会認定産業医に対するじん肺胸部エックス線読影講習の前後での読影結果について発表。新しく加わったAndreさんも積極的に質問していた。じん肺胸部エックス線読影講習は有名なFelsonが米国のACR…

いろいろ

さて、今日の教室セミナーは、山田養蜂場のグラントをもらっている弘田先生が実験の進行状況について説明。まあまあうまく行っている様子。気管支喘息の動物実験系がいろいろと活用できています。学会発表等を乞うご期待。 また、Ngatu先生が先回に引き続き…

定期的に必ず参加する岡本君以外は学部学生の参加はなく、少し寂しいセミナーだったが、先週からのEnvironmental Health Secrets抄読とNgatuさんの平和村プロジェクトに関して、Maunji村の現状リポートがありました。ビデオで現地スタッフが事前調査に行った…

USMLE step 1 合格への道

リサーチコース6年生の吉年君が最近step 1に合格。その合格体験記を話してくれました。彼はBLSやACLSの研修なども熱心に行っていて学生でACLSの修了証も持っているとのこと。私も福井にいたときに北米型のERを熱心にされている先生たちがおられたので、勉強…

中皮腫細胞のp21抑制が抗がん剤の作用を増強

Enhanced Antitumor Therapy by Inhibition of p21waf1 in Human Malignant Mesothelioma Lazzarini R et al. Clin Cancer Res 2008;14:5099-5107. Cell cycle regulatorであるp21に注目して、これを阻害することでdoxorubicin, etoposide, CPT11などの抗が…

アスベストとシリカのNALP3経由の免疫活性化

Dostert C et al. Innate Immune Activation Through NALP3 Inflammasome Sensing of Asbestos and Silica. Sience 2008;320(5876):674-677. アスベストやシリカなどの空気汚染物質の吸入が肺の炎症や繊維化、癌化に関係があることは知られているが、どのよ…

Probiotics and food allergy

Lactobacillus casei Shirota does not decrease the food allergic response to peanut extract in Brown Norway rats. Toxicology 2008;249:140-145. 衛生環境の向上がアレルギー疾患の増加の原因と考えられている一方で、プロバイオティクスが注目されて…

Carbon nanotubeはネズミ腹腔内投与でアスベストと同様の作用を示す

本日の新聞にも報道されましたが、Nature Nanotechnology電子版にK. Donaldson, A. SeatonらEdinburghの職業性呼吸器病のtoxicology, clinical medicineの大家が発表しました。彼らは前任地での私のボスの日下幸則福井大学教授の留学先での師匠です。mouseの…

母乳中の抗原による子鼠の免疫寛容

Verhasselt V et al. Breast milk-mediated transfer of an antigen induces tolerance and protection from allergic asthma. Nature Medicine 2008;14:170-172. 幼児期の環境中抗原への曝露っでアレルギー性喘息が発症するが、疫学研究から母乳哺育とアレ…

質向上研究とインフォームドコンセント

NIJMの本日版に掲載されたのは2006年12月掲載のICUでのカテーテル起因の感染症を減らす介入研究に関するコメンタリー。Pronovostらがミシガンの103病院を対象にICUでのカテーテル起因感染症の頻度の変化をエビデンスに基づくカテーテル留置法(手洗い、ガウン…

メタミドフォスmethamidophos

抄読会までいかない話題提供は秋丸先生がおこない今話題の中国製冷凍餃子に混入していたメタミドフォスなどの有機リン農薬による食中毒が中国などで多く報告されていることや、遅発性の神経症があることが知られている。1999年にマルセーユの農夫の2例報告で…

ディーゼルエンジン作業者での重金属の状況と酸化ストレス

Heavy metal status and oxidative stress in diesel engine tuning workers of Central Indian Population Devi SS, Biswas AR, Biswas RA, Vinayagamoorthy N, Krishnamurthi K, Shinde VM, Hengstler JG, Hermes M, Chakrabart T. J Occup Environ Med 20…

インジウム作業者の肺障害

Chonan T el al. Interstitial pulmonary disorders in indium-processing workers. Eur Respir J 2007;29:317-324. 108名のインジウム作業者について、血清インジウム濃度、KL-6, SP-A, SP-Dなどを測定、また、HRCTで肺内線維化、肺気腫について所見をスコ…

中年男性のメタボリック症候群と心肺機能の健康度

Relation of Low Cardiorespiratory Fitness to the Metabolic Syndrome in Middle-Aged Men. Am J Cardiol 2002;90:795-7. メイヨークリニックの重役健康教室(Executive Health Program)に参加した360名についてトレッドミルを使った運動持続時間(最大酸…

Idiopathic Interstitial Pneumonia: Do Community and Academic Physicians Agree on Diagnosis?

Am J Respir Crit Care Med 2007;175:1054-1060. 39例のIdiopathic Interstitial Pneumoniaについて6名のAcademic clinicians, 3名のcommunity clinicians, 2名のacademic radiologists, 2名のcommunity radiologists, 4名のacademic pathologists, 2名のcom…

Exhaled Breath Condensate(呼気凝縮液)

1980年ごろ旧ソビエトで開発された生体試料採取方法で呼気を冷却して蒸気化した成分を液体化して採取する方法。当時は全く西側から無視されていたが、侵襲がないことから近年さまざまな研究に用いられるようになってきている。 Conparison of Biomarkers in …