2006-01-01から1年間の記事一覧

次回の講義は産業保健

大学時代、衛生学の講義の最初(だったと思う)に様々な職業現場を写したスライドを何枚も見せられて、「職業性疾病を書き出せ」と言われ、それに続いて講義があった。そして、最後の講義で、また同じスライドを見せられ、同じように職業性疾病を書けといわ…

疫学講義終了

本日で疫学の講義終了。臨床疫学について検査の精度すなわち感度・特異度と事前確率、事後確率との関係を中心に講義。ネタ本はFletcherのClinical Epidemiology。名医となるためには検査を乱発するのではなく、地域の有病率等の情報や理学所見などで事前確率…

タイから帰国

タイの新空港から日記を書き込んだつもりが、最後のスイッチを押していなかったらしい。新空港はタクシン政権崩壊とほぼ同時期に開港したが、バンコクの中心部からは遠いという不評も現地の人からは多いが非常にきれいでハブ空港を目指していることがよく分…

メンタルヘルス講習

明日は中央労働災害防止協会のメンタルヘルス支援専門家として一般企業のメンタルヘルス講習と管理監督者とのメンタルヘルスを語る会に出席してくる。語る会というのは、結局のところ管理監督者を教育したいために行うのだが、偉い方々は教育しますよと言っ…

地域職域連携

厚生省と労働省が一緒になって何年もたつが、健康日本21が始まった2000年前後から地域職域連携なるものが盛んに取りざたされている。主に地域保健を行っている人たちが推進派だ。現在、地域保健で行われる健康診断の受診率は大体30%前後であるため、地域住…

Cumulative incidence (incidence proportion) & incidence rate

疾病や死亡の新規発生を知るには、特定された集団を一定期間観察するコホート研究(cohort study)を使わなければいけない。しかし、実際には対象に決めた集団のすべてを追跡しきることは非常に難しく莫大な費用と人材が必要になる。対象とした集団で死亡が…

Happy Wedding, Pete!

A personal message to my friend. Happy Wedding to Peter & Junalyn! God bless you two. Be fruitfull, be multiply, and have dominion over the earth! I wish you two will visit me in Japan soon. Narufumi

石綿関連疾患のHRCT像

僕たちの提唱しているHRCTをつかっての職業・環境性呼吸器病(occupational and environmental respiratory diseases)の分類は方式はILO分類を模したものだが、ここ10-20年のHRCTにかかわる放射線医学的な研究成果を産業医学の重大な問題に適用したものだ。…

魚刺傷

カサゴらしき魚に指先を刺されて直ぐに痛みが広がり肘のあたりまで痛いという人が当直先で来院。インターネットで調べると、複数のサイトに魚の毒は50度程度で失活するので45度程度のお湯に30−90分浸すと良いとのこと。実際にやってみると30分後にはかなり痛…

薬剤に化学物質が混入(Panama)

Promedは主に感染症の集団発生をレポートしているが、今回は薬物に化学物質が混入して死亡例の集積があった例をレポートしてる。原因不明の死亡の集積を調査したところ、摂取されていた薬物中に化学物質が発見されたというものだ。 ProMedによるとPanamaのSo…

農業労働の労働衛生OR産業保健

農業国においては農業労働は労働人口のかなりが関わっていることになり、そこでの健康問題は労働人口全体への労働損失につながる。ひいては、国家のGDPにも関わってくることになる。ところがこの農業労働についてはあまり専門家としてやっているひとが多くな…

今年は講義のコマ数が増えたせいもあり、準備にかなり時間をかけています。このぐらい学生が準備して聞きに来てくれればアメリカの講義みたいに質問がバンバン出て盛り上がるのでしょうか。公衆衛生・予防医学は非常に重要な分野ですが、臨床医になってから…

こういう独白は交流がないと続けるのは難しい。本多静六という東京帝大の教授で一財産をなした人がいるが(私の財産告白)、その人は一日1枚の原稿を書くことを日課にし、給料の4分の一を天引き貯金したという。また、死ぬ前に財産のほとんどを匿名で寄付…

AED付自動販売機

NHKの朝のニュースで自販機にAEDが設置されている例が紹介されていた。「毎日見ているのでいざというときに思いつくと思う」という感想あり。以前オーストラリアを訪問した際、街角のブロックごとにAEDが設置されているのを見て感心したことがある。

中皮腫検診無料化へ

読売朝刊 労災病院などで行われているアスベスト関連疾患の検診が無料化される見通し。検診の窓口を広げ、専門病院に紹介するルートを作るとのこと。 私も大学病院でアスベスト外来をやっているが、無料化できるのか?? 厚生労働省土屋班で本年度一億円の予…

小児の中耳炎は経過観察で可か?

Google Newsで中耳炎は経過観察で可?という記事あり。 Forbesの記事にJAMA9月13日号(JAMA 2006;296:1235-1241)を引用して書いてあった。 6歳から12歳までの283人のRCTを経過観察+処方(Wait-and See Prescription; WASP)群(n=138)と標準的な処方(SP…

Bland Altman plot

Bland Altman plot という統計手法は通常の医学統計学の教科書には書いていない。しかし、診断学特に放射線医学に関わる分野で時折でてくる。Douglas G. Altman というのは非常に有名な統計学者でPractical Statistics for Medical Research, Second Edition…

GoogleとIF、CI

全然異なる話のようで、結構似ているのがIF(Impact Factor)、CI(Citation Index)とGoogleの「世界中の知の再構築のためのアルゴリズム」である。梅田望夫氏の「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」によればGoogleは単純に個々のリンク…

Receiver operator curve, kappa statistics-Stata software commands

統計ソフトはStatflex、Statview、SPSSなどいくつか使ったが、今は主にStataを使っている。基本パッケージで統計手法を網羅していることと、ArmitageのStatistical Methods in Medical Researchに準拠していることなどが主な理由。LSTMHのコースで使ったこと…

疫学2:疫学研究の構成

キーワード: 研究目的、対象選定・標本抽出、疾病の定義、曝露要因の測定(対面調査、自記式調査、客観的測定)、統計学的手法(検定と過誤)、質問票作成の実際 緒論 臨床現場で出会う新たな発見をまとめる際にも、研究計画の立て方を知っておくことは有用…

疫学講義1

疫学は公衆衛生の固有の方法論である。公衆衛生が人間集団の健康問題に取り組むことを考えると、人間集団の疾病の頻度と分布から決定要因を探求する学問(Last)である疫学は必須の方法論である。臨床医がある一人の患者を観察し、問診し、聴診器をあて、触…

アジアへの技術移転など

じん肺などの職業性呼吸器病に限らず、職業病の頻度は当然途上国のほうが高い。戦後の日本がそうであるように経済の発展が何よりも重視され多少のマイナス面はいたし方が無いという考えが強い。日本などの先進国の失敗の二の舞を踏ませては成らないと考えて…

石綿ばく露者の検診

国際じん肺CT分類の開発のために症例収集をしてきたが、建設業といっても主に木造建築を主にしている人たちの集団で胸部写真での検診をしてみて、かなり高濃度の石綿ばく露がないと発生しないと考えられている石綿肺が数例以上あるのには正直驚いている。木…

医学統計学

日常的に使うstataのコマンドを整理しておく。時々忘れるので。 基本的な集計 summarize N1 tab C1 tab C1 C2 tab C1, summarize(N1 N2 N3) 基本的な検定 ttest N1=# ttest N1=N2 ttesti 24 62.6 15.8 75 (n=24,m=62.6,sd=15.8; test m=75) ttesti 20 20 5 3…

過重労働・メンタルヘルス対策など

産業保健でのトピックスの一つが作業関連疾患だが、これはかつての成人病(成人の主要死因となる疾病)や今言う生活習慣病(lifestyle disease:死因となる疾病に加えその素地を作る基礎疾患も含めて生活習慣にリスク要因のあるもの)とかなり重なる概念であ…

blogは知的生産のツール?

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/02/07メディア: 新書購入: 61人 クリック: 996回この商品を含むブログ (2353件) を見る 東京出張の際には羽田の本屋で面白そうな本を見つけて…