日本国際保健医療学会西日本地方会

昨日、佐賀大学の新地浩一教授が主催して行われた国際保健医療学会の地方会に参加してきた。前日の夜、会合があり、今日も朝から当直だったので、朝一で出かけ、終電で帰宅。かなりの強行軍だったが、久しぶりに載った新幹線が岡山から博多まで1時間半程度で、結構速いことが分かった。あと一歩進めば故郷の長崎だったが、そこまでは余裕なし。初めて訪れた佐賀はちょっと新鮮。特急かもめの車窓からは田園風景で、高知や福井と変わらないなと思っていると、タクシーに連れられてついた佐賀大学医学部に至る道が店やマンションが所せましと立ち並び、赤レンガの佐賀大学を中心に学園都市を形成している。聞くと、ここが鍋島藩の発祥の地。葉隠れの本拠地だ。
二年ぶりの参加だったが、私の医師としてのルーツがこの国際保健にある。大塚病院で研修していたころ、母子センターにおられた中村安秀先生のところにお話しを伺いに行ったことがあったが、その先生が基調講演。その後、学生部が企画したシンポジウムがUNICEFFの平林国彦さん、フォトジャーナリストの久保田弘信さん、栄養研の三好美紀さんと初めてお会いしたが少しずつご縁があった。ジャーナリズムの力ということが話題に上ったが、一枚の絵が真実を伝えることがあるし、ジャーナリズムが自分で創作したストーリーに合ったものしか見ようとしていない現実もあるという。私も高校生の頃、ソマリアの飢餓で苦しむ子どもの写真を新聞で見たことは、国際保健がその後、私の頭から消えない理由の一つ。教授になって高知大学に赴任したその月に、アフリカの医師が是非あなたのところで学びたいと訪ねて来てくれたのも、何か運命づけられているように感じる。しかも、その写真を見る前に、私はシュバイツァーの伝記を読み、こういう生き方がしたいと思っていたのだから。
そのご縁のある学会、来年は3月3日高知大学で開催する予定となった。