短縮Nコース

今日は産業看護職のためのスキルアップというか、看護師資格の産業看護職が公衆衛生一般について学ぶためのコースの講義をしてきた。2コマぶっ続けだったが、現場での産業看護師の経験があるため、質問が鋭い。福井で私が産業医をしていた明治ナショナル工業福井工場で産業看護師が中心になって行った調査研究を題材に、話をしたが意義をちゃんと分かっていたところがすばらしい。例に挙げたのは、事業所における風邪・インフルエンザ罹患に関する健康調査インフルエンザ予防活動による休業日数削減効果の検討。また、活動内容の中で、製造ラインで頚部の後屈が多いラインを改善する提案を行った事例として、ラインの人間工学的設計への産業保健スタッフの参加事例を紹介した。今回参加した産業看護職の方々は大体280名から500名を超える規模の事業場が多く、必然的に健康管理業務が多くなり、それに時間を割いているのだろうが、産業保健上の問題に取り組む上で、労働損失を用いて費用対効果を検討した例をみて大変興味を持ってくれたようだ。
企業の経営者にとって、数ある経営上の問題の中で、産業保健の問題は優先順位の10番目に入るかどうかだ。そのくらいプライオリティが低い問題を如何に経営者たちに分かりやすい言葉で、プレゼンすることが出来るかどうかは至難のわざと言ってよい。経営リスクとしての産業保健問題という提示の仕方と共に、産業保健による職場の改善で生産性を上げることができるという提案で福井での職場では、ある程度は産業保健の考え方を植えつけたつもりだったが、その後どうなっていっているか数年後にフォローしてみるとよいのかもしれない。無論、後任が私より優秀で私のやったことなど跡形もないくらい劇的な改善がなされているかもしれないが。
終わって、少し時間があったので、帯屋町をうろうろしてみたが、よさこいの練習をやっている子供たちや祭りの準備などがされていた。どうも、先週くらいから連続で土曜だけ商店街の祭りをやってるらしい。うちのガキ共に言うと行きたそうだったが、柔道の後、汗だくで柔道着のまま行くわけにも行くまい。