産業衛生学会 in 札幌

24日から今日まで、(明日は産業医学の研修会があるが)日本産業衛生学会が札幌で開催されていました。高知に着てからは始めての産業衛生学会でしたが、じん肺石綿などのセッションでも職業性呼吸器病研究会でもいつものメンバーと結構激しい議論が戦わされました。私たちも福井のグループとの共同発表もふくめ何題か発表しましたが、結構厳しい質問がでて、少し熱くなってしまいました。やはりこういうピアレビューというのが大事なんでしょうね。
 今回はディーセントワーク(Decent work)人間らしい仕事をテーマにいくつかのシンポジウムが開かれましたが、産業衛生学会らしく学者、産業保健スタッフ、経営者側、労働組合などから演者が選ばれ、ILO関係者の参加もあり、一つの問題を取り上げても、焦点が少しずつ異なっているのが興味深いと感じました。トップダウンでなければ企業の風土を変えることはできないということが強調されていましたが、これは私自身の産業医の経験からも賛同できます。ただし、行政の指針や熱心な産業保健スタッフが安全衛生至上主義からのみ発言してしまうと、そのトップダウンを行う経営者が理解できないだけではなく、安全衛生を曲解、誤解し、マイナスのトップダウンをしてしまう可能性があることを十分考慮できていない感じもします。
 産業保健すなわち安全衛生の重要性を十分に理解したうえで、経営者の発想や言い分を承知した上で、その発想から説明しなおさないとワークライフバランスの問題などは解決できないのではないかと思いました。