Exhaled Breath Condensate(呼気凝縮液)

1980年ごろ旧ソビエトで開発された生体試料採取方法で呼気を冷却して蒸気化した成分を液体化して採取する方法。当時は全く西側から無視されていたが、侵襲がないことから近年さまざまな研究に用いられるようになってきている。
Conparison of Biomarkers in Exhaled Breath Condensate and Bronchoalveolar Lavage
Am J Respir Crit Care Med 2007;175:222-227
細気管支や肺胞腔の液体を採取するBALとの比較をした論文。肺移植を含めた疾病を持つ患者についてEBCとBALを採取して、さまざまなマーカーを調べた。集団としては酸化ストレスを示す8-isoprostaneはEBCがより高値、Hydrogen peroxideはほぼ同等であった。NOx、pH、タンパク量なども異なっていた。個別データの比較は互いに相関していなかった。これはタンパク量で補正しても変わらなかった。
Increased alveolar nitric oxide concentration, and high levels of leukotriene B4 and 8-isoprostane in exhaled breath condensate in patients with asbestosis
Thorax published online 24 Jan 2007
アスベスト肺患者とコントロールでLB4、8-isoprostaneを測定し比較。アスベスト患者群が有意に高い。

現時点では測定誤差が大きいなどの問題があり、個人データを疾病の診断、予後予測などに使えるかについてはクリアすべき問題がいくつかあるが、メカニズム研究用には利用できる目途がついている。採取が簡便で侵襲がないのがよい。