いろいろ

さて、今日の教室セミナーは、山田養蜂場のグラントをもらっている弘田先生が実験の進行状況について説明。まあまあうまく行っている様子。気管支喘息動物実験系がいろいろと活用できています。学会発表等を乞うご期待。
また、Ngatu先生が先回に引き続き、ICOHでのポスター発表の準備状況の説明。こういうのは数やらないとうまく作るのも難しい。サイエンスというよりは芸術的才能が求められるかも。それよりもパワーポイントの使いこなしが日本語版のためもあるのか、難しいらしい。言語の壁を乗り越えながらよく頑張っていると思います。また、D.R. Congoで準備中のNSI対策の調査の案も大分固まってきたようです。
また、抄読会でTsuda T et al. Ingested Arsenic and Internal Cancer A Historical Cohort Study Followed for 33 Years. Am J Epidemiol Vol. 141, No. 3, 1995. かなり前の論文ですが、丁度今やっている共同研究でヒ素の吸着剤を使った検討をしているので、取り上げてみました。青山英康先生が岡山大の衛生の教授だった頃の論文で、「市民のための疫学入門」の著者、津田俊秀先生の書いたものです。新潟で1959年当時にヒ素中毒症の集団発生が確認され、その当時の調査リストに基づいて33年後に追跡を試みたhistorical cohort studyである。1ppm以上のヒ素曝露を受けた113人の住民の標準化死亡比SMRは肺がんで15.69倍 (O/E =8/0.51; 95% Cl 7.38-31.02) で尿路系のがんで 31.18倍 (O/E =3/0.10; 95% Cl 8.62-91.75)であった。ヒ素の含有が1ppm以上であった井戸を利用した人ではその他の曝露者に比べ全死亡が1.74倍(95% Cl 1.10-2.74) 全がん死亡が 4.82倍 (95% Cl 2.09-11.14) であった。Synergetic Effect Fractionが0.97とヒ素と喫煙の相互作用が認められた。