アスベストとシリカのNALP3経由の免疫活性化

Dostert C et al. Innate Immune Activation Through NALP3 Inflammasome Sensing of Asbestos and Silica. Sience 2008;320(5876):674-677.
アスベストシリカなどの空気汚染物質の吸入が肺の炎症や繊維化、癌化に関係があることは知られているが、どのように病原性粉じんが認識され、どのように慢性炎症が惹起されるかについては十分解明されていない。本研究でアスベストシリカがNALP3 inflammasomeによって認識され、その活性化によりIL-1betaが分泌される。NALP3 inflammasome活性化は粒子の貪食の際にNADPH oxidaseによって発生する活性酸素種により惹起される。アスベスト吸入モデルにおいてNALP3-/-マウスは肺への炎症細胞の遊走を減少させ、サイトカイン産生も低かった。これらの結果は吸入性粉じんによる肺疾患においてNALP3が炎症を惹起させる「危険な」レセプターとしての役割を果たしていることを示すものだ。

次に、弘田講師が岡山労災病院で研修してきたアスベスト小体の定量方法についてレポート。神山先生、森永先生作成の厳密なマニュアルによる定量法とのこと。アスベスト小体測定のニーズはいろいろな所からあるので研究用の検体については、高知大学環境医学で定量可能となった。