Carbon nanotubeはネズミ腹腔内投与でアスベストと同様の作用を示す

本日の新聞にも報道されましたが、Nature Nanotechnology電子版にK. Donaldson, A. SeatonらEdinburghの職業性呼吸器病のtoxicology, clinical medicineの大家が発表しました。彼らは前任地での私のボスの日下幸則福井大学教授の留学先での師匠です。mouseの腹腔内にNTtang1(径15nm長さ5μm)、NTtang2(径15nm長さ5-20μm)のとNTlong1(径85nm長さ平均13μm)、NTlong2(径165nm長さ最大56μm)とSFA(Short Fibre Amosite:短繊維の茶石綿)、LFA(Long Fibre Amosite:長繊維の茶石綿)を比較したところ、SFA,NTtang1,2とLFA, NTlong1,2はそれぞれ同じ作用を示し、投与後24時間の急性炎症反応(好中球浸潤と蛋白質の滲出)、7日後の巨細胞・肉芽腫形成をしめした。腹腔側の中皮のみにこの反応が起こっていた。この系では繊維の長さの違いによる反応を見ているだけで、短い繊維が吸入性の粉じんとしての反応を起こすことについては検討できていないとのこと。

そのほか、データ解析方法の基礎(星野)、じん肺読影講習の効果判定についてのレポート(Ngatu, 鈴木)、meta-analysis(弘田)などのレポートあり。

来週は黒潮町三世代検診についての健康教育を整形外科永野先生にご講義いただく予定。先週は国立がんセンター研究所近藤格先生に大学院セミナーをお願いし、その後懇親会に行き盛り上がりました。そのレポートはまた後ほど。