インジウム作業者の肺障害

Chonan T el al. Interstitial pulmonary disorders in indium-processing workers. Eur Respir J 2007;29:317-324.
108名のインジウム作業者について、血清インジウム濃度、KL-6, SP-A, SP-Dなどを測定、また、HRCTで肺内線維化、肺気腫について所見をスコア化して検討。また、作業環境におけるインジウム濃度の記載もあり。研磨を行っている作業場では、幾何平均で0.05+-3.96mg/m3他の作業場では0.01+-1.36-0.05+-4.16mg/m3であった。血中インジウム濃度は0.2-126.8ng/mlで4分位に分けると第3分位の8.3ng/ml以上でKL-6>500が46%、HRCTでの肺内線維化所見は15%、肺気腫変化は12%に見られた。第4分位ではそれぞれ、89%、58%、35%であった。死亡例では繊維化もさることながら、肺気腫変化が急激に進み、気胸を起こして死亡していることから、これらの集団はインジウムによる肺障害による死亡を未然に防ぐために注意深いフォローが必要である。