GoogleとIF、CI

全然異なる話のようで、結構似ているのがIF(Impact Factor)、CI(Citation Index)とGoogleの「世界中の知の再構築のためのアルゴリズム」である。梅田望夫氏の「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」によればGoogleは単純に個々のリンクの頻度によってサイトの信頼性を評価するのだという。PageRankというのがそれだろうか?CIはまさにそれを学術論文についてやっているのではないか。多くのリンク(citation)を得られるのはいろいろな人に共通の話題を提供する基礎技術やジェネラルな考え方だろうが、そうなるとわれわれのような産業医学という特化された領域(ニッチ産業?)では評価が低くなる。いや、産業医学でもストレスなど非常に多くの人が関わっていそうな領域だと、ジェネラルな雑誌にも載りやすいのだろうが…。

フォレスト出版という中小企業の社長向けのビジネス書に特化した出版社があるが、その社長の太田氏曰く、本は一人の具体的な対象をイメージして語りかけるように書くべきだそうだ。彼が若かりし頃、マガジンハウスの編集長にそういうことを教えられたらしい。一人の読者の背景に20万人の読者がいるのだそうだ。これは日本の一般雑誌の世界の話だが、確かに如何に狭い分野でも、世界中で20万人ぐらいは関心を持ってくれる人がいてもよさそうだ。語りかけるようにというのがおそらくミソで、ストーリーのある話を書くことで読んでくれる人も増える、口コミで広がる可能性もでてくるということなのだろう。