Bland Altman plot

Bland Altman plot という統計手法は通常の医学統計学の教科書には書いていない。しかし、診断学特に放射線医学に関わる分野で時折でてくる。Douglas G. Altman というのは非常に有名な統計学者でPractical Statistics for Medical Research, Second Edition (Chapman & Hall/CRC Texts in Statistical Science)の著者である。彼が、1986年にBlandと共著でLancet書いた散布図とこの新しいplotの方法が、一部の研究者には強い影響を与え、このplotがBA plotと呼ばれている。

これはたとえば2名の放射線科医(rater1 rater2)が画像を読影した場合にどの程度、2名の読影結果に差があるか、一致しているかということを示すものである。これを図示するために、2名の読影医の結果の差(rater1-rater2)を縦軸に結果の平均((rater1+rater2)/2)を横軸にプロットする。これが結果の差の標準偏差の1.96倍に収まっているかどうかを見るのである。この一致度の指標としては単純な一致度や偶然の可能性を除去した一致度(kappa)が有名だが、Altmanはその著書で一致度の検討を相関係数rや対応のあるt検定で行うことは誤りであり、kappaを使わなくては成らないと指摘している。