福井大環境保健同門会

先週末、福井へ。丁度寒波が押し寄せ、雪が60センチになると脅される中、同門会参加のために北陸線に乗った。緒方名誉教授、日下教授、出口教授など懐かしい顔がそろったが、その中でも、福井大学に在職中に学生だった高橋伸徳先生と金山ひとみ先生が参加されていたのが、非常に嬉しかった。高知でも5年で卒業生を3人大学院にといっているのだが、1年経過して、まだ高知大学の卒業生はまだ一人もいない。大学院生は海外からの応募は多く、来年度に向け1名は増える予定なのだが。社会医学は予防という観点があるので、臨床をある程度やってから予防の重要性を認識する人も結構いる。そういう高知大の卒業生がいれば是非問い合わせてもらいたい。

高橋先生は2年生のときだったか、公衆衛生をやりたいといって、マネジドケアについて経済学でまとめたレポートを持ってきた。薬剤師資格も持っていて、学生時代も薬剤師としてアルバイトをしながらの苦学(?)だったが、初志貫徹で保健所の医師となっている。この日も公衆衛生への熱い思いを語ってくれた。
金山先生は環境保健学の学生実習の際に、テーマを学生が立案する自主テーマとして温泉の効果を確かめようとしていたのを覚えている。現在は、学位を目指して環境保健学教室の研究生とのこと。この間のタイのAIR Pneumoの第一回セミナーにも参加しており、日下教授の手足となって研究してくれるのだろう。
わたしもこちらで教授になってから、1年を過ぎたが、痛感するのは一人で出来ることは限界があるということ。趣味としての研究は、黙々と愉しんでやればよいのだが、いろいろなところからの関係で請け負うものが多くなるとまわらなくなってくる。どうにか人員を補充して、若手の活きのいい研究者を輩出できるようにしていきたい。
行き来に飛行機や電車やで5時間もかかるので、その間、読書にふけり、2,3冊読んだが、勝間和代という人の「読書進化論」というのが面白かった。どうも同い年らしい。確かに、大勢の人に一度にあれだけのボリュームの話をするためには、何十時間も(つまり半期の講義ぐらいでしょうか)かかるわけだから、本にして読んでもらったほうが早い。そういう意味では、大学の教員も仰々しい教科書よりも新書版で新しい切り口の本を書いたほうが学生も興味を持つんじゃないかとも思う。思うだけでは形にならないので、今年は少しずつその準備をしよう。