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先ほどまで鷺沼ちかくのオンワード樫山の研修所で産業衛生学会専門医試験のための研修会に参加してきた。衛生学関連の大学の常勤講師以上ならば申請すれば指導医になれるらいしいが、そのことは昨日初めて知ったので(もちろん薄々はそうだろうと思っていたが)、来月の試験を受けようと思っている。研修内容は産業医の実務に関わるかなり常識的な話と、高度な話を筆記やグループ討議、プレゼンと本番の専門医試験さながらの様子でやるもので、中々刺激的だった。産業医大の卒業生で専門医試験に合格した先生たちが後輩のために手弁当で始めたのが始まりらしく、今回は7回目とのこと。現役教授が参加したのは初めてだと主催者は喜んでくれたが、こちらはだいぶ肩身が狭かった。これで本番の試験でも落ちるようだとさらに肩身が狭くなるので、一生懸命勉強するしかないかと思っている。
 講師に来てくれていた先生方は専属産業医として活躍中の錚々たるメンバーで企業のトップと渡り合って安全衛生の推進に力を尽くしてきた様子が話から伝わってきた。これぐらいトレーニングを受けた人ばかりが産業医をやれば企業のトップも安全衛生の重要性を認識せざるを得ないのだろう。また、参加者の中には臨床医から産業医に転じて専門医を目指すほどに産業医活動に力を注いでいる先生も何人かいて、その先生たちの発言も中々的を得た内容で、地道に産業医活動をされていることがよく分かった。アメリカは産業医学のレジデントコースが確立している国だが、彼の国でもそのレジデントコースや産業医学の修士課程を修了した産業医学プロパーの産業医と様々な臨床医学の経験を持った医師が転じるケースとがやはりあるようで、それぞれにそれぞれの強みがある。
 日本では予防医学関連の日本医学会加盟学会の専門医制度はこの日本産業衛生学会専門医が唯一なので、予防医学の専門性を明確にしていく取っ掛かりには有用なのではないかと思う。徐々に公衆衛生大学院的な修士課程も整えられつつあるが、予防医学分野の専門家としてのメンバーカードとして明確なものを持てるようになると社会に対しても説明がしやすくなるのではないかと思う。