研究費申請

教授の仕事はお金を取ってくる事だ、とよく言われるが、これは中々大変。自分たちのアイディアが素晴らしいものだとはやってる本人は思い込んでいても、研究費の交付を決定する人たちが、そう思ってくれなくては研究費は手に入らない。いま、一生懸命にファイザーヘルス財団の研究費申請書をコンゴ民主共和国における継続可能な保健医療支援というテーマでNgatuさんの発案である平和村プロジェクトを参加型アクションリサーチとしてやるというテーマで書いている。7月10日締めきりなので、もうすぐだ。
20年前に予防医学に進もうと考えたきっかけの一つは国際保健をやりたいという志だったが、それがコンゴ人医師Ngatuさんを大学院生として受け入れたことで、ようやく現実のものとなろうとしている。尤も、自分の大学院生としての研究もタイでの感染症疫学だったし、産業医学をやり始めてからも国際的な枠組みでじん肺の画像分類を研究したり、東南アジア諸国じん肺講習を行ったりとずっと国際保健をやっている。いわゆる、国際保健と比べれば国際労働衛生というべきだろうけれど。そう考えてみると、案外、自分のこれまでの行き方も初志貫徹でやってきているんだな。というより、人間というものは自分が関心を寄せるものにしか力を注げないのかもしれない。あるいは、多少自分の領域から外れているものでも、自分の領域に近づけて消化しようとするのだろうか。
こういうことを考えると思い出すのが、小学校の恩師が教えてくれたシュリーマン。天才とは情熱を保ち続けることのできる人である、というのは言い得て然り。そういう意味では、私は国際保健の天才かもしれない。それとじん肺かな。