赴任して一年経過

高知に来て1年経ったが、この教室セミナーにしても一年間継続して形を残せるようなことをすべきだったかと、反省が多い。前回から疫学の勉強用に本読み会を開始したが、前回参加した3名が今日も参加し、熱心に聴いていた。少人数でのセミナーは一人ひとりの反応がわかってキャッチボールがうまくいくので話をしていて楽しい。講義でもそういかないかと工夫をしてみるのだが、なかなか成功しない。大学の教員は研究・教育・社会貢献とさまざまに評価軸があって、あまり教育ばかりに力を入れているわけにも行かないが、教育をしないと後継が育たない。システマティックに部分的にでもできる人間を育てていかないと、発展がない。前任地のボスが、自分の能力よりも劣るスタッフを忍耐して使っていたのは、教育という面もあるのかと感心もしつつ、疑問を感じることもあった。自分がチームを引張ることになってみると、業務を分けて少しずつでも任せられるように大学院生などに業務・タスクを譲渡していっているかというと、難しいというしかない。次の一年が経ったときに、リサーチコースなり、博士課程の2年を過ぎたら、疫学研究の立案や統計手法の基本的なことは率先してできるよ、というメンバーが溢れているようにしたい。そうなって、ここまでのレベルは上級生が指導できるということになれば、なおいいが。医学部以外の理系学部では卒業前の1,2年は研究室に入り浸って研究をまとめなくては学士も取れないので、大学3,4年がしっかりと研究活動をしている。我々は医師を育てるのが仕事なので、研究ばかりに誘ってもいけないのだろうが、自分たちがやっていることに面白さを見出して仲間になってくれればと思わないでもない。
と振り返りつつ、次の一年を頑張ってみようと思う。