Paragonimus and Paragonimiasis in India

本学医学部看護学科環境保健学の吾妻教授にお話いただきました。肺吸虫症の分子疫学についてはアイソザイムで検討したP. westermaniの2倍体と3倍体が異なる地理分布を示していることと、標題のインドアッサム地方北部での肺吸虫症の状況についてご講演いただきました。肺吸虫症では血痰や黒色・茶色痰があり、胸痛、慢性咳はあるが発熱はないこと、胸部画像で小さなcyctic lesionを呈することなどが挙げられました。現地ではTBとの鑑別が問題となっているようです。cyctic lesionが典型的であれば画像では分けられそうですが、胸水やnodular opacityもあるとのことで比較をしてみたいと思いました。親の虫体が吐き出すES antigenを用いたELISAがかなり特異的な検査方法となっているそうです。

2題目は現在本学医学部整形外科と当教室でフォローしている黒潮町佐賀地区の三世代健診についてです。今年から大学生にピア教育として小学生の健康教育を担当してもらおうと学校の先生にお願いしてきたところです。教育学部の学生などのピア教育でよい印象をお持ちの先生方が多く皆さん賛成をしてくださいました。これは福井大学医学部で環境保健学実習の際に、大学の近くの鳴鹿小学校の先生からご依頼を受けて始めたものにヒントを得たものです。福井のように3ヶ月間毎週丸一日派遣するということはできませんが、リサーチコースで教室に出入りしている8名でうまく教材開発から教育までできればと思います。

来週のこの時間は、国立がんセンター研究所プロテオーム・バイオインフォマティクス・プロジェクトのプロジェクトリーダーである近藤格先生による「個別化医療の実現を目指したバイオマーカー開発:国立がんセンターにおけるプロテオーム解析の例」と題した大学院生セミナーをこの時間行います。場所は大学院生研究棟1階のセミナー室の予定です。学内・県内の方は是非参加してください。近藤先生は大学時代の同級生で学生のころから岡大の癌研究所に出入りしていて、学生の間に論文を書いてしまったような人です。このプロテオミクスの世界では若いけれども第一人者の一人だと思います。彼は医学部の柔道部で私は本学の柔道部でしたが、時々本学の練習にやってきて、六高柔道部伝統の寝技の洗礼を浴びていました。ピアノのある部屋で風貌からは想像できない美しい音色を響かせる特技もありました。勿論、柔道一直線のように足で弾いたりはしていませんでしたが...