大槻剛巳教授DCセミナー

大学院セミナーで川崎医大衛生学の大槻剛巳教授の講演が18時からあり、いつもの立て板に水を流すような講義が1時間半。珪酸および珪酸塩の免疫応答という内容で、先生の教室のお家芸シリカの自己免疫の機序にTregのCD4+25+の減衰が絡んでいて、TeffのCD4+25+と見分けがつかなくなっているという話から、アスベストによるがん化の中での免疫応答、特にTregの働きの増強が腫瘍免疫の低下につながり、がん化を抑えることが出来なくなるという話で、MT-2というATLの細胞をクリソタイル存在下で飼い続け、慢性炎症が起きている状態の細胞モデルを作った話など、興味深い話が満載だった。ちょっと、全部はフォローできていないが、その高尚な講義の後も大分盛り上がった。
 「風土」という店で軍鶏鍋をやった後、ピアノの弾き語りの店へ。折りしも、サックス奏者の青年がマスターと曲を奏でていた。そこに来るまでは、皆のことを気遣って、「本当にいいですよ」と遠慮されていた大槻教授だが、その演奏を聞いて、目の輝きが変わった。彼らの演奏がひとしきりして終わると、自らマスターに声をかけて、「素人なんですけど、弾かせてもらっていいですか」とこれまた控えめな発言で、ピアノの前に座ったが、そこからは独演会。講義にもまして立て板に水だった。
 その後、うちの大学院生のNgatuさんもドラムを持ち出して、ドンドコやりはじめ、サックス奏者の青年も混じって、合奏がはじまった。わたしも対抗心を燃やして、バイオリンを引っ張り出してもらったまではよかったが、練習の足りなさのために2曲ぐらいで脱落。日頃の鍛錬の重要さを思い知らされた。今後は毎年、大槻教授の来高を目標にして練習に励むことにしよう。
 彼は、学生時代、中島みゆきや円ひろしもでたポプコンで全国大会出場の経歴の持ち主で、作詞、作曲に情熱を傾けていたらしい。そのときのクリエイティビティが現在の研究にも良い影響があるという。リサーチコースの学生2名がこの多彩な才能に圧倒されていた。彼らにとってもよい刺激になったろう。