四国公衆衛生学会

四国の県など行政関係者と大学関係者からなる地方の学会ですが、初めて参加して行政で頑張っている医官の皆さんが非常にエネルギッシュでした。昔四国に徳島大しか医学部が無かったころ、4県を回って開催していたのが始まりだそうで53回目でした。北陸にも公衆衛生学会がありましたが、厚生労働省の政策が現場にどのように展開されているか、問題点がどこにあるのかということを考えるには非常によい機会だと思いました。昨日も若手から壮年までの行政の医官と2次会でも激論を交わし、久々に面白かったです。私も結構斜めからみて、うがった考えをするほうですが、衛生・公衆衛生という共通の基盤があって話ができる人たちだなという印象がありました。
 現場の人たちが日々考えていることを文章に論理的にまとめるということは、一人ひとりの経験を一般化して多くの人の経験とするために非常に大切です。しかし、現場の人の経験の一般化はまとめるという作業が通常の業務外であるためなかなかなされません。そうなると担当者が変われば違ったやり方をするということにしか成りません。evidence-based ではなく、experience-basedになってしまいます。OJTで丁稚から初めて親方の流儀を1から10まで学んでいたときにはそのやり方も成立していましたが、OJTも論理的に説明しないと納得しない若者を訓練しなければなりません。そういう意味でも、現場の活動経験を論理的にまとめようとする場が参加しやすいところであるのは大切だと思いました。