成功とは?

ハッピーリタイアの話が、金持ち父さんがはやり始めたころから話題に上るようになり、類書も多く出た。楽をして若くしてお金持ちになることが成功だという考えが広まりつつある。アメリカンドリームのような話だが、これも価値観の多様化のせいか。とはいえ、お金もないと考えが汲々としてよからぬ金に手を出したりすることになるので、誰も助けてくれなくても自分のしたい研究や社会活動を支えるだけの資金は自分で確保したいと思う。何とかして、財団を作りたい。100億規模の財団を作ればプロのファンドマネジャーに任せれば年10%は堅いので、毎年10億円の助成金を拠出できる。それを世界の健康問題を見渡して必要なところに助成するなんてことができればと思っているわけだ。空想で終わらず、実現してみたい。願っていることは公言してみたほうがよいらしいので、ここで公表してみた。
 大学で研究者をやっていると一つの組織のトップになり、多くのスタッフとともに大きな仕事がしたいと思ったりもするのだが、世の中の問題は複雑で多種多様な問題があるため、一つのテーマに割くことのできる人員は限られている。結局のところ、自分の頭の中でアイディアを絞り出し実現可能なように構想を練り、必要な人員、資材を確保し、経費の裏づけをするということが何をするにしても重要になる。トム・ピーターズは21世紀はネットワークの時代と言ったが、大きな組織を常に持っていなくても、プロジェクトに応じて必要な専門家やその他スタッフを招集し、事にあたり、プロジェクトの終了と共に解散するということでかなりのものは対応できる。
 そうなってくると、組織のリーダーになるというよりも、あるプロジェクトにおいてリーダーをやれる力量を持っているかどうかのほうが重要だ。大学人としてはどうしても教授というポストが魅力的に見え、教授になることが成功の典型のように思ってしまうが、そのあたりは未経験なのでまだ判断しかねる。講師、助教授あたりがある程度力量もでてきて、いろいろなところからも声がかかるようになるので、結構充実していて一番いい時期なのかもしれない。恩師もそういっていたし、今のボスは助手の時代が一番いい時代だという。打ち込めるものがあって、一心不乱になって取り組めるのでいい時代だというのだろう。