近況:教育について

昨年末の渡米以降の書き込みが全然ないが、そのころから始めた毎朝大学院生主体の抄読会はしっかり継続されている。四月からは出席表も作って月ごとに表彰しようかと思っている。ここ数ヶ月は、いろいろと忙しく、いつものことだが、締め切りに追われたり、遅れたりしているものが続出。振り分けの仕方が悪いのだろう。講師のころに"Deligate"の仕方を書いた本を買って来て、自分が親分になったら振り分けをしっかりしてスマートに仕事をするんだと思っていたが、まったくそうなっていない。世の中には、仕事がなくて困っている人もいることを考えればありがたい限りだが、仕事に見合う人員がいないというのも悲しいところ。どうにか四月以降ででもカバーしてくれる人が増えれば良いが...

平成19年の11月からだから、丁度2年と4ヶ月が過ぎようとしている。大学の教員というのは、研究をやらないと評価はされないのだが、研究職ということで給料を貰っているわけではなく、教育職である。この2年半でどういう教育をしてきたかというと、どうかな、と思う。医師養成機関だということで、国家試験にでるような内容を教えることが必須だという考えもあるだろうけれど、国立大学に入るような学生は国家試験ぐらいは自分の力で合格する。しかし、それぞれの学問がどんな形で医学に貢献しているのか、なんで僕たちがこの分野に人生を賭けているのかということは、試験にでる項目には出てこないところも多い。

助教授までの講義の一部を担当するという時期は、限られた担当分野を結構熱く語っていたのだが、全体をプロデュースすべき今のほうが、ちょと盛り下がっているような状況だ。というわけで、今年はすこし医学部の講義と女子大に頼まれている講義に手を加えて、プロデュースしなおしてみようとしている。また、大学院で提供してる5つの科目は全て英語で提供する。これらは順次ウェブ上で配信するように計画している。学外への提供はこれから検討する。予防医学、環境医学についての菅沼節が世界中に配信できるようになる日は近い。