その気にさせる保健指導---都竹茂樹先生(高知大学公衆衛生学)

今日はお隣の公衆衛生学から講師を招いて、「“その気”にさせる保健指導」(副題)ソーシャル・マーケティングコーチングを活用したアプローチ、ということで都竹茂樹先生にお話いただいた。ご自身は学生時代からパワーリフティングをされていて、オリンピック選手などの筋トレのコーチなどもされていた元整形外科医でハーバードで公衆衛生修士も取ったというつわものである。見た目にはキラーカーンといった感じだが、瞳がややベビーフェイスである。保健指導を通してメタボ対策をされているだけあって自らの肉体も鍛え上げているようである。わたしも柔道をやっていたので、お腹周りが気になりだすと学生相手に週1,2回柔道をやるとへっこんでいたものだが、そういうことをやらなくなった2,3年前からは歯止めがかからなくなってしまった。
ソーシャルマーケティングは公衆衛生大学院などでは普通に取り上げられる科目で、教科書もいくつか出ているが、わが国ではこれを本格的に取り上げて講じている大学は少ないと思う。私も健康日本21の走りの頃に、マーケティングを取り入れてどこにいるターゲットにどういうメッセージを送るのかということを考えるべきだし、行政と民間の役割を整理して、民間も参加者として巻き込んで、定食型ではないアラカルトの介入を可能にすべきだと何度か話をしたが、うまく形に出来なかった。その点、都竹先生は起業家としての実践力で民間発の健康教育プログラムを作成し、市町村に働きかけて効果を出しているのだから敬服する。四日市市国保ヘルスアップモデル事業での取り組みは(保健)業界誌やNHKの「ためしてガッテン」でも取り上げられた。それをみた通販生活の創業者がいたく感心し、アプローチしてきたらしい。今後の展開を注目したい。
話は医学教育や医療制度の話にも広がり、いかにも公衆衛生をやっている人たちの会話ができて盛り上がった。富士通四国システムズの産業保健師の三宮さんも参加され実務者同士の熱心な議論もあった。
最後には、都竹先生発案の10分で出来る自重筋トレ3種の中の一つスクワットを参加者全員で体験した。わたしも1ヶ月続けてみて、子供たちと柔道をやっても息が上がらないようにしようと思う。