日本CT検診学会

今日は日本CT検診学会に参加。胸部CT研究会から昨年学会に格上げになった。らせんCT肺癌検診に取り組んでいるメンバーがメインだ。肺癌は男性の年齢調整罹患率が10万人あたり40名程度で毎年3万人以上が肺癌で亡くなる。私たちは、アスベストなどの粉じん曝露者でのCT検診をすべきという立場から、結構前から参加しているが、今回はアスベストのセッションも出来ているので、この方面でも関心が高まっているらしい。しかし、海外の研究者から聞いた話でも6ヶ月おきのCTスクリーニングでも中皮腫は見つけられなかったという話があり、やはり、肺癌と中皮腫は検診を分けて考えていく必要がある。
私たちが提唱する職業・環境性呼吸器病のための国際HRCT分類も単独でびまん性疾患だけのスクリーニングというのはありえず、悪性疾患のCTスクリーニングが必要という観点から出てきたという面もつよい。日本でも胸部エックス線だけでなくCTでも分類すべきではという声はよく聞くが、直ぐに厚生労働省の方針が変わるとは思えない。しかし、ATS(アメリカ胸部学会)の石綿関連非悪性疾患についてのガイドラインも以前1986年版にあったILO1/1以上の不整形影という言葉が消え、画像診断と言う言葉に置き換わり、これがhisotologyと同等になったということは注目すべきだ。これについては私が福井産業保健推進センターから出しているアスベスト関連疾患についての説明をごらんいただきたい。