自己ブランド

記号性とかブランドというのは、起業家にとっては重要なキーワードらしい。

できる人は「自己ブランド」を持っている! (楽書ブックス)

できる人は「自己ブランド」を持っている! (楽書ブックス)

大学も法人化以降は、どうやって売れる大学になれるかを模索して試行錯誤している。教官たちは研究費の獲得のために知恵を絞らなくては成らず、今の時代はやりの分野をやっていればよいが、そうでない分野では人も来ないし金も来ないということが起こる。
 地方大学にも記号性を発揮している教官がいろいろな分野にいる。そういう人は概して一般書を出していて、自分の研究してきた成果を普通の言葉で説明し、実生活に応用できるように伝える能力があるようだ。こういうことは学問の世界では雑文を書くと言って、評価されないことが多いが、昔、英文学者の中野好夫が言ったように中学生にも分かる文章がよい文章らしいので、自分のやっていることを普通の文章で整理できるかやってみなければと思っている。
 確かに、自分の得意分野・専門分野を確立するためには狭い領域をとことん突き詰めていくということが大切だ。どんなに小さな分野であっても、一番であればみんなに知られるようになるし、他の分野の一番と交流できるようになる。じん肺という自分が研究している職業病も医学全体での注目度は低いかもしれないが、それでこそ地方大学で追求できるテーマなのかもしれない。
 このテーマをどういうストーリーとして意味づけできるかが問題だ。